世界的に認められている食品規格をコーデックスと呼びますが、この企画はHACCPを解説する記事の中で頻繁に登場する言葉なのでご存知の人も多いのではないでしょうか。コーデックスは、2003年度版のHACCPガイドラインでSLDBsと呼ぶ概念を作り出しました。SLDBは、小規模事業者や特定の業種などの意味を持つ言葉で、7原則全てを運用するのは場合により現実的ではない業種を指します。7原則には、①危害要因分析の実施(手順6)・②重要管理点の決定(手順7)・③管理基準の設定(手順8)・④モニタリング方法の設定(手順9)・⑤改善措置の設定(手順10)・⑥検証方法の設定(手順11)・⑦記録と保存方法の設定(手順12)、この7つが該当します。

7原則全てが含まれる業種もあれば、いくつか該当しない業種もある、該当しない業種に無理やり7原則当てはめることは意味がないことです。さらに、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理は小規模事業者向けの取り組みになるわけですが、この小規模事業者や特定の業種の中ではHACCPに関する実務的な知識および技術を持つ人がいない可能性も少なくありません。夫婦や家族で経営を行っているような小さなお店、全国展開を行う外食産業ではアルバイトなどが主体で知識を持たない人材が運営しているケースもある専門的な知識を持たない店舗も少なくありません。業界団体の手引き書が有効になるわけですが、厚生労働省はコーデックスの記述通りに制度化を進めている関係からもコーデックスの知識を持つことは厚生労働省の動きを読み解く手掛かりにもなります。

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